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Nani Cole

抗体探索技術で注目される名古屋大学発ベンチャー「iBody」

Nani Cole(ナニコレ)とは
Startup [N]の番組内で、毎週1組に自社の商品・サービスの紹介から、企画やイベントなどの告知をしてもらう情報コーナーです。
番組では毎月1回「NAGOYA STARTUP NOW」と題して、名古屋市がいまイチオシの優れたスタートアップ企業にご出演いただき、その魅力をPRしていただきます。

2022年8月6日放送Nani Coleゲスト
天草陽さん(iBody株式会社 代表取締役CEO)

 8月6日放送の情報コーナー「ナニコレ/NAGOYA STARTUP NOW」には、iBody株式会社の天草陽さんが出演。名古屋大学の特許技術を応用し、ヒトや動物が持つ抗体を世界最速かつ極めて効率的に取得できる「Ecobody技術※」を紹介しました。

 1973年生まれの天草さんは、神奈川県横浜市の出身です。大学卒業後、旅行代理店での勤務を経て2000年より医薬品業界でのキャリアをスタートしました。大手製薬企業で医薬情報担当者(MR)やマーケティング、事業開発部門に従事する傍ら、海外大学のMBAを学びました。MBAの取得を機に経営、スタートアップでの仕事への関心が高まり、2016年にがんの再生医療系のバイオベンチャーに転職し、執行役員として事業開発を担当しました。2020年にiBody株式会社の代表取締役CEOに就任し、それまでの人生で縁のなかった名古屋の地で現在ベンチャー経営に取組んでいます。

 iBody社が提供するプラットフォームであるEcobody技術は、ヒトや動物が保有する抗体を世界最速で、非常に効率的に取得します。抗体とは、ウイルスや細菌などの外敵からヒトや動物が身を守るための免疫システムで、重要な役割を果たすタンパク質です。それらは特定の分子に特異的に結合するという特性を持ち、医薬品や診断薬、研究用試薬などに幅広く応用され、人々の健康に欠かせない存在となっています。

 抗体を医薬品や診断薬などに応用するためには、動物の体内から目的の抗体を探して入手する必要があり、これら抗体取得技術は過去30年にわたり進歩し、いくつかの手法で抗体を入手することができるようになってきました。なかでもiBody社のEcobody技術は、名古屋大学の特許技術を応用しており、他の技術に比べて非常に迅速かつ効率的に抗体を検索・取得することができます。その結果、クライアント企業や研究機関は、抗体を必要とする製品の開発期間を短縮し、他の技術では取得が困難な抗体を入手することが可能になりました。

 天草さんによれば、これまで目的の抗体を得るために生きた細胞を使ってタンパク質を培養するのに数週間から数カ月の時間がかかっていたそうです。Ecobody技術の特徴である無細胞タンパク質合成により、試験管の中で抗体のタンパク質を合成および評価することが可能になり、抗体の検索と取得のスピードが約2日に飛躍的に短縮されたとしました。

 また、スピードとともに重要なポイントとして、他の技術では取得できない抗体を手に入れることができることです。例えば、ターゲットである単一な抗体を取得しようとしても、動物の体内ではさまざまな抗体が産生されるため、その中から標的抗体を選別して取得する必要があります。技術によっては多様性を減らしてしまうことにも繋がりかねません。そのような選別操作を必要としないことも、この技術の優れた点だと強調しました。

 このEcobody技術は診断薬などをいち早く作るのにも有用です。また、ある大学の例として、がんの診断装置に搭載する抗体を5年ほど模索する中、Ecobody技術を採用したことで、数カ月で標的抗体を取得できた事例を挙げ、こういったシーンでも価値を提供していきたいと天草さんは訴えました。

 番組の中で天草さんは、「地域の名古屋大学が開発した革新的な技術をもとに立ち上げたベンチャーで、診断や治療の発展、リスナーの皆さんの健康に貢献できるようにこれからも頑張っていきたい」と意気込みを伝えました。

 詳しくは下記ウエブサイトをご覧ください。また、番組メイキング動画も併せてご視聴ください。

※名古屋大学大学院生命農学研究科の中野秀雄教授が開発したタンパク質の無細胞合成技術。

●iBody株式会社 ibody.co.jp