[N]ews

Nani Cole

「障がいのある人×デジタル」から生まれたフェルト雑貨たち

Nani Cole(ナニコレ)とは
Startup[N]の番組内で毎週1組に自社商品のPRから企画やイベントなどを告知してもらう情報コーナーです。

2022年9月24日放送Nani Coleゲスト
井上愛さん(NPO法人motif 理事長)

 9月24日放送の情報コーナー「ナニコレ」には、NPO法人motif(モチーフ)の井上愛さんが出演。障がいのある人が得意とする手仕事のものづくりと、デジタルファブリケーションを組み合わせて開発した、フェルト素材の小物雑貨「See Sew(シーソー)」を紹介しました。

 See Sewの製造プロセスでは、フェルトにレーザーカッターで穴を開け、その穴に針を通すことで、障がいのある人でも均一で美しい仕上げを可能にしています。商品はポーチやカードケースなど流通の多いアイテムを中心にラインナップされ、 留め具には樹脂を使用し、金属はパーツの接続のみで、金具が中に入れた物に触れたり、中に入れた物を傷つけたりがないといったメリットを備えています。グレーの霜降りフェルトにイエローのステッチ、パープルのパーツを組み合わせたユニセックスなデザインなので、シンプルなデザインが好みの方にお薦めです。

 この取り組みは、愛知県立芸術大学准教授の本田敬氏が、所属する大学のインクルーシブ研究の成果として、障害者就労施設と連携しながら、障がいのある人や福祉施設スタッフをデザインパートナーとして共同開発したことがきっかけでした。就労継続支援B型での賃金は健常者の月給の1割にも満たず、その上施設で製造される製品の多くが非常に安価で、同情的な心理での購買が多いというのが現状です。そこで、インクルーシブデザイン(高齢者や障がい者など、従来、デザインプロセスから除外されてきた人々をデザイン段階から巻き込むデザイン手法)の考えをもとに、プロのデザイナーたちが実際に障害者施設を訪れ、作業者の特徴や能力を観察し、一緒に作り上げることのできるようなデザインを考案しました。作りやすさとデザイン性の2つのバランスを両立させた製品に仕上げることで、障がいを意識されずに手に取ってもらえ、一般的な製品と競合することで高い収益が見込めることから、障がいのある人たちの賃金改善を目指しています。

 番組内で井上さんは、10月下旬に開催するイベント告知(下記)や、See Sewの製造に参加を希望する福祉施設を募りました。詳しくは以下の公式サイトをご覧ください。また、番組の収録動画(音声のみ)もぜひご視聴ください。

やさしい暮らしと彩るコモノたち
会期:2022年10月27日(木)~2022年11月1日(火)
会場:ジェイアール名古屋タカシマヤ10階催物会場(愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4)

●See Sew see-sew.net